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口蹄疫飛び火 総力挙げて拡大防止せよ(産経新聞)

【主張】

 沈静化の兆しも出ていた家畜伝染病の口蹄(こうてい)疫が、宮崎県内で次々と飛び火した。全国有数の畜産地である都城市などに拡大しており、新たな事態である。

 菅直人首相も12日、宮崎入りし、「国家的危機だ。必要なことはすべてやる」と東国原英夫知事らに約束した。パフォーマンスに終わらせず、これ以上の感染拡大を防がねばならない。

 新たに感染例が確認されたのは都城市や宮崎市、日向市、西都市で、計5市5町に広がった。ウイルスの感染力はかなり強く、感染経路もはっきりしない。

 農林水産省と宮崎県は遺伝子検査の結果を待たず、早めに殺処分を開始した。県西部のえびの市では、素早い殺処分と徹底した消毒で終息に成功しており、この初動対応が身近な手本となる。

 ただ、えびの市の終息によって行政や農家が油断した面もあったようだ。感染症は沈静化したかに見えても、すぐ再発してアウトブレーク(集団感染)することがある。気を緩めてはならない。

 感染経路として、人や車の移動を警戒しなければならない。例えば車両の通行を消毒ポイントのある幹線道路に限定し、それ以外を通行止めにする。都城市に隣接する鹿児島県がこうした道路封鎖に踏み切ったのは有効だ。

 農家も家畜を注意深く観察し、少しでも健康状態に異変がある場合は早めに通報する。貴重な種牛を確保するためにも必要だ。

 口蹄疫対策特別措置法が施行され、被害農家に対する国の補償が強化された。殺処分した牛豚の埋却用地も、国の責任で確保するよう定められている。発生農場以外の健康な家畜の予防的な殺処分も、強制的にできるようになった。これを有効活用したい。

 殺処分の対象となる家畜は19万頭を超えたが、まだ約3万頭は処分できていない。早急に計画を立てて処分と埋却を急ぎたい。

 残念だが、口蹄疫はいま、列島のどこに飛び火しても不思議でない状況にある。2001年に大発生した英国では全土で家畜の移動を禁止し、延べ21万人の軍隊を出動させて家畜650万頭を殺処分し、1年をかけてようやく終息にこぎつけた。

 九州地方が梅雨入りした。長雨になった場合、影響がどう出るかも未知数だ。国の総力を挙げて拡大を防止し、できるだけ早期に決着させたい。

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